ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会が3年ぶりに開催!

ウインドサーフィンで津久井浜の街にウエーブを起こしたプロウインドサーファーにインタビュー

2022年11月11日(金)から15日(火)の5日間、3年ぶりに横須賀市の津久井浜海岸で「ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会」(以下ワールドカップ)が開催されます。この期間中は、世界各国からトッププロたちが集結。海上でエキサイティングなスピードレースを目にすることができます。

ワールドカップの大会会場を津久井浜に誘致するために尽力し、今季も大会に出場するプロ選手の國枝信哉さんに、ウインドサーフィンの街=津久井浜の魅力をインタビューしました。

セールから伝わってくる風の重さに魅せられて

國枝さんがウインドサーフィンに出合ったのは小学生のとき。父親に連れられて来た森戸海岸で自由自在に海上を走るウインドサーファーを目にし、「いつかやってみたい!」と思ったのがはじまりでした。「初めてボードに立ち、セール(帆)を手にしたときの感覚は今でも忘れられません」と話す、國枝さん。

「風ってこんなに重いんだなって思いました。自然の手応えのようなものを実感したんです」。

國枝さんは大学卒業後にサラリーマンになるも、ウインドサーフィンを思いっきりやりたいという思いから会社を1年で退職したそう。それからは、「やるからには日本で一番のウインドサーファーになる」という思いで海に通う日々。「しばらくは森戸を拠点にしていましたが、縁あって津久井浜のウインドサーフスクール&ショップ『TEARS』でアルバイトをはじめてから、津久井浜がホームになりました」。

その後、國枝さんは30歳で「TEARS」の権利を買い取り、オーナー兼選手に。スクール運営や道具の販売・修理・相談だけではなく、インカレで活動する大学生の部室のような役割を持つ「TEARS」は、ビギナーからプロまで、ウインドサーファーたちのオアシスのような存在になっています。

サイドショアが吹く津久井浜は、最高のゲレンデ

東京湾と相模湾の間に位置し、丘のような山に囲まれた津久井浜は、風が局地的に入り込んでくる地形だといわれています。岸に対して横向きに風が吹くため、ウインドサーフィンにとって最高のゲレンデ(海)で、國枝さんも「全国的に見ても、すばらしい風の入り方」と絶賛。

「森戸から津久井浜に移ってきたときに、ウインドサーファーたちのレベルの高さにびっくりしたんです。環境がいいんですね」。

セールを持ったウインドサーファーたちが道路を横断する姿は、津久井浜ならではの光景。風の強さによってセールの大きさを調整するウインドサーファーたちの間では、セールの大きさを確認し合うのが挨拶がわり、なんてことも。

選手としてだけでなく、「TEARS」のオーナーになり、日本ウインドサーフィン協会の副理事長にも就任。どんどん活動の幅を広げていく國枝さんは、津久井浜で「ウインドサーフィンドリームカップ」というコースレースの大会を行うなど、ウインドサーフィンの発展に力を注いできました。協力をしてくれていた横須賀市役所の人たちと「いつか、津久井浜でワールドカップを開催したいね」という話をしていたところに、追い風のようにANAから「日本のどこかで、ワールドカップができないか」という相談があり、2017年にはじめて津久井浜でワールドカップが開催されたのでした。

「最初は沖縄あたりで、という話もあったのですが、やるなら風の入り方も申し分ない津久井浜でしょ!東京から京急電車で1時間半という近さだしね、と推しました(笑)こんなにいいゲレンデ、ほかにはないんですよ」。

ワールドカップでひとつになった街

「TEARS」に所属する若手ウインドサーファ—で、ワールドカップにも出場予定の鈴木理美選手(右)と。

「津久井浜には漁師さんもたくさんいて、海を走るウインドサーファーたちとは気をつかい合う存在。きっとウインドサーファーを煙たく思うときもあったと思います。だけど、2017年にワールドカップの開催が決まったとき、漁師さんをはじめ津久井浜の街の人たちはみんな、とてもよろこんでくれたんです」と國枝さん。

「商店街の人たちは、それぞれが横須賀の自然をイメージした『横須賀ウインドブルー』というスイーツなどをつくって応援してくれています。街全体で盛り上げようとしてくれていたのがとてもうれしかったですね」。

ところがコロナの影響で、2020年と2021年のワールドカップは中止に。街の落胆は相当なもので、「今年はやらないのか……」と肩を落とす漁師さんもいたとか。そんな中、今年の11月にワールドカップを開催するというニュースは、津久井浜を再び元気にしました。

「3年ぶりに津久井浜のビーチににぎやかさが戻ってくるのを楽しみに、みんなで準備をがんばっています。大会期間中は、プロの走りをバーチャル体験できるブースや、土・日曜日限定で無料スクールが設けられるほか、横須賀グルメを販売するキッチンカーも登場。観覧に来てくれた方は、ウインドサーフィン体験や地元グルメを満喫していただけると思います!」

ずばり、今年の競技の見どころは?

今年のワールドカップの競技は「スラローム」。風上から風下に向かって設置されたブイを回航するレースで、選手たちは時速50〜60kmのスピードでプレーニング走行(滑走状態)をします。スピードはもちろん、マーキングでの激しい攻防も見どころ。競り合いながら滑走する選手たちの気迫を感じられるでしょう。

津久井浜の風で海を走る、ウインドサーフィンを見に行こう!

風を動力にするウインドサーフィン。津久井浜の海といえば、カラフルなセールが日常風景。ワールドカップの会場で心地よい風を受けながら、競技の迫力や津久井浜のあたたかな歓迎や活気を感じてみませんか?

それらはきっと、訪れた人を元気にしてくれるはず。


Fly! ANA WindSurfing World Cup YOKOSUKA MIURA Japan

ANA ウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会

ウインドサーフィンワールドカップは、欧州を中心に約10カ国を転戦するワールドツアーで、PWA(Professional Windsurfes Association)公認の世界最高峰の大会。アジアでは日本と韓国で開催され、日本は今回で4回目。津久井浜に約100名のトッププロが集結し、スラロームで競います!

■開催期間/2022年11月11日(金)〜15日(火)
■会場/津久井浜海岸
■観覧料/無料
■主催/ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会実行委員会
■実行委員会/全日本空輸株式会社、京浜急行電鉄株式会社、一般社団法人ウインドサーフィン協会、神奈川県、横須賀市、三浦市
■詳細/https://windsurfing-wc.jp
■お問い合わせ/ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀
■三浦大会実行委員会事務局 046-822-9284(横須賀市文化スポーツ観光部企画課内)


ウインドサーフィンシーズンの秋、海も山もカラフルに染まる津久井浜の街

「なぎさ635号」より。

SHOP DATA

國枝さんがオーナーの「TEARS」では、ビギナー向けのスクールも開催!

TEARS

津久井浜海岸の目の前にあるウインドサーフスクール&ショップ。プロ選手も在籍し、幅広いレベルでスクールを実施。

■TEL/046-840-1273
■住所/横須賀市津久井1-3-8
■アクセス/津久井浜駅から徒歩約6分
■営業時間/10:00〜19:00(休日は8:00から)
■休み/年中無休
■料金/体験コース6,600円ほか
■HP/https://www.tears-windsurfing.com
■アクセス/津久井浜海岸(津久井浜駅から徒歩約8分)

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※この記事は、京急電鉄が発行している広報誌「MIULIKE vol.19」と連動しています。バックナンバーは、京急電鉄のHPからご覧いただけます。

構成/noi株式会社 Photo/井手勇貴 Writing/中野幸子

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