newcalファミリーインタビュー vol.1 

三浦観光バス 常務取締役 根岸辰也さん

newcalファミリーは、京急沿線を盛り上げる事業者や自治体、NPOなどからなるコミュニティです。本企画では、newcalファミリーのメンバーを順番にご紹介していきます!

今回ご紹介するのは、貸切バス、レンタカー、レンタルトゥクトゥク、キッチンカーなどの事業を展開する三浦観光バス常務取締役 根岸辰也さんにお話をお聞きしました。

三浦海岸駅前にオフィスを構える三浦観光バス

―三浦観光バスさんの事業内容をお聞かせください。

昭和34年に、創業者である祖父が、三浦海岸に海の家を開業したのが始まりです。全盛期には全体で120店舗ほどあったそうで、うちも3店舗ほど運営していました。その後、民宿業や旅行業、レンタカー業もやるようになり、平成10年に父が事業を統合して三浦海岸駅前に(株)三浦観光バスを設立しました。今でも地元では「三浦レンタカー」という名の方が通っています。

現在は、「モビリティで地域をつなぐ」「三浦半島をモビリティで楽しく!」をコンセプトに、観光バス事業、レンタカー事業、レントゥクー(レンタルトゥクトゥク)事業、キッチンカー事業、レンタサイクル(みうらレンタサイクル)事業をはじめ、さまざまな事業者と提携して多角的に事業を展開しています。また、SDGsへの取り組みとして、葉山の移動図書館事業者と共同で、観光バスを図書館に仕立てた「“え”ほんふれあいていりゅうじょ」というイベントなども定期的に行っています。


マイクロバスから大型バスまでさまざまなバスが並びます
「みうらレンタサイクル」の拠点でもあります

―根岸さんが会社を継ごうと思われたのはなぜですか?

以前は大手旅行代理店に勤務していて、会社を継ぐ気持ちはなかったのですが、父が体調を崩したのをきっかけに役員として参画することになりました。私はよく、「アトツギ(後継)ではなくナカツギ(中継)」と表現しているのですが、受け継いだバトンを次の世代につないでいくようなイメージで、未来に向けた事業づくり、地域づくりを念頭に置いています。観光バスやレンタカー中心だとこの先苦しいよね…という危機感や閉塞感を感じていたところにコロナ禍が重なり、自分がやりたかった飲食(キッチンカー)など、新たな事業にも挑戦するようになりました。

アイデアマンの根岸さん。
さまざまな事業者とコラボしながら多角的に事業を展開しています

―根岸さんが描くこれからの「モビリティビジネス」とは?

一社で何かをするのではなく、複数の事業者がパートナーシップを結びながら一緒に取り組む「共創型ビジネス」のなかで、乗り物(モビリティ)を担当する…というイメージです。モビリティビジネスには、「移動を楽しむ」という視点も必要だと思っています。大事にしているのが、バス、車、自転車、電動キックボード、トゥクトゥクといった移動手段をただの移動手段で終わらせず、何かと掛け合わせて考えること。例えば、2022年夏にスタートした「バン・クルーズ」では、バンを簡易キャンピングカーのように改造して貸し出し、「移動」をもっと「自由」に楽しむ、「観光の移動手段×エンタメ」として提案をしています。


「移動できる○○」という発想や、「稼働していないバスを空間として使う」という発想も面白いですよね。例えば、「移動できるキッチン」であるキッチンカーを、飲食店を出したいという人や学童保育などの施設にリーズナブルに貸し出したり、バスを「移動できる図書館」(先述の「“え”ほんふれあいていりゅうじょ」)にしたり、スタートアップと連携してバスを荷物預かりのスペースとして活用したり…ということもやっています。

日本ではマイクロバスは5年くらいで売却されてしまうのですが、座席などを取り払って「移動型レンタルスペース」として貸し出す計画も立てています。企業のPRブースとして、個人の作品展示スペースとして、子どもの一時預かり場所として、行政の移動窓口として…など、使い道はいろいろと考えられます。マイクロバスは普通免許で運転でき、自走するため牽引不要なので、ニーズがあると思うんですよ。こうしてあれこれ事業構想を描いているのですが…今後も、皆さんの「こうだったらいいな」を乗り物で解決していきたいですね。

ミッションは「キッチンカーで地域を元気に!!」
電動キックボードのポートもあります

―三浦の観光において、感じている課題は何ですか?

三浦は東京や横浜、羽田からのアクセスも良くて、駅から徒歩5分で海に行けて…と条件がそろっているところなんですから、本来、観光がうまくいかないわけがないんです。もっとブランディングをちゃんとしないといけないし、豊かな観光資源をみんながもっと上手く使えるようにならないといけない。三浦海岸の活性化協議会のような組織を作って、夏だけでなく年間を通して海を活用することを考えるべきだと思います。

―三浦newcalに期待していることは?

三浦を知ってもらうためのプラットフォームとして、三浦newcalには期待しています。京急グループ、行政、地域が一緒になって、みんなで長い目で未来を見据えて動いていけたらいいなと思います。そのなかで私は、“歯車”なのかなと。“よそもの”と地元の人のつなぎ役、通訳係になることで、共創・協働が加速度的に進むこともあると思うんです。ぜひ一緒に、三浦を盛り上げていきましょう!

※このインタビューは2021年11月に行われたものです。

―三浦観光バスが提供するアクティビティはこちら!

my-mo(ミューモ)
このインタビューのnewcalファミリー
三浦観光バス
三浦観光バス
住所: 神奈川県三浦市南下浦町上宮田1486‐2
TEL: 046-888-5003